仕事で遅くまで職場に残っていたオバサンは、同僚と遅い夕食を摂るため敷地内を店に向かって歩いていた。
雨上がりの夜道は、街灯が点いているとはいえ、路面は真っ暗だった。
グシャ
何か殻を踏み潰した音がした。
カタツムリだった…
カタツムリはオバサンの靴の下で潰れていた。
あ~何でもこんな所にカタツムリがいるの…
カタツムリが死んだのかどうかも見えなかった…
職場近くの定食屋に着いた。
座敷が空いていたので、座敷に座った…
さっきのカタツムリの話題になった…
カタツムリにとっては、えらい災難だったなあ~
と言う話しになった…
食べ終わると明日も仕事なので、それぞれ帰路についた。
深夜…夢の中でオバサンは、同僚と話していた…
そこに見知らぬ女性が来て、オバサンと同僚の話を聞いては色々聞いてきた…
オバサンと同僚の話の内容をよく知っているその女性に
「貴女はどなたですか?」
とオバサンは尋ねた…
縞模様のワンピースを着た女性は静かに答えた
「さっきのカタツムリです…」
ええっ何をしにきた?
怨みつらみか?
「いえ、死ぬ前に色々知りたかったんです…」
そう言って女性は退席した…
翌日、カタツムリを踏んだ場所に行くとカタツムリはいなかった…
オバサンに踏まれた後、瀕死の重体で巣に戻って命が尽きたのではないか…
ちょうど、オバサンが夢見た頃に…
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カタツムリの夢…
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