しゃっくりのお話しです。
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薬の窓口 No.189
岡山大学病院薬剤部
薬品情報室発行
平成 21 年 11 月 1 日
しゃっくりは正式には吃逆(きつぎゃく)といいます。
誰にでも起こる症状で、
多くは数分から数時間でおさまり、治療の必要はありません。
しかし、症状が持続したり、頻回に出現したりする場合は治療が必要です。
今回は、「吃逆」についてお話ししたいと思います。
● 吃逆の種類
吃逆は、その持続時間から、3 つに分類されます。
▽吃逆発作 :48 時間以内でおさまるもの
▽持続性吃逆:48 時間以上、1 ヶ月以内のもの
▽難治性吃逆:1 ヶ月以上続くもの
● 吃逆の原因
吃逆発作は、日常生活のなかで誰にでも起こりうるものです。
一方、持続性や難治性の吃逆は、多くの原因疾患があり、心因性・器質性・特発性の 3 つに分類されます。
<吃逆発作>
・胃拡張
(食事やアルコールの過剰摂取、炭酸飲料、内視鏡検査の空気注入)
・胃腸やその周囲の温度の急激な変化
(冷たいシャワーを浴びたとき、温かなあるいは冷たい飲み物を飲んだとき)
・急に生じた興奮やストレス、禁煙 など
<持続性・難治性吃逆>
・心因性
(ストレス、興奮、人格障害、ヒステリー性神経症)
・器質性
(脳腫瘍、脳出血、頭部外傷、心膜炎、肺炎、甲状腺腫、狭心症、胃潰瘍、胃癌、薬、アルコール中毒、糖尿病、インフルエンザ、結核 など)
・特発性
(原因不明)
持続性・難治性吃逆は、男性に圧倒的に多く、男女比 5:1 以上と報告されています。
男性の持続性吃逆の約 90%は器質的疾患が原因であり、女性の持続性吃逆の
約 90%が心因性であるという報告があります。
重症の場合、栄養不良や体重減少、疲労、脱水、不整脈、創傷部の裂開、不眠、重度の逆流性食道炎の合併、場合によっては死に至ることもあります。
● 治療
吃逆の多くは一時的なものであり、治療の必要はありません。
しかし、長時間持続したり、頻回に出現したりする場合は、睡眠、会話等日常生活に支障をきたすため治療が必要です。
原因が特定されている場合は、原疾患の治療を行います。
原因が不明な場合の治
療方法には、非薬物療法と薬物療法とがあります。これらはいずれも対症療法です。
まず、非薬物療法を試み、非薬物療法で効果がみられない場合や持続性、難治性吃逆に関しては、薬物療法が考慮されます。
<非薬物療法>
舌を引っ張る、綿棒やカテーテルによる口蓋垂・咽頭の刺激、水でうがい、氷水の飲用、グラニュー糖の嚥下、二酸化炭素混合気再吸入、息こらえ、驚かせる、眼球圧迫、頸動脈洞圧迫などが経験的に行われています。
<薬物療法>
*精神神経科用剤(クロルプロマジン、ハロペリドール)
*抗てんかん剤(クロナゼパム、バルプロ酸ナトリウム)
*抗けいれん剤(バクロフェン)
*柿蔕(シテイ)湯・・・乾燥させた柿のへたを煎じたもの
いずれの薬剤も吃逆に対する作用機序は明確でなく、非薬物療法と同様に経験的に使用されています。
<参考> ・ENIF 医薬ニュース vol.18 No.18 2009
http://pharm.hospital.okayama-u.ac.jp/wp-content/uploads/2013/03/189.pdf
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ヒック、ヒック…と苦しいです。
(Тωヽ)