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2013/06/14 UPDATE
50代、退職貧乏にならない「5つ」のポイント
「仕事・給与」ガイド
:福一 由紀
老後の生活を考えるとき、実際のお財布事情がどのようなものか実感がなかなかわかないものです。
退職後は、収入が激減するのは目に見えています。そのときに困らないために、今からできることを考えておきましょう。
■ 老後の生活、毎月平均4万7700円の赤字
総務省が発表する「家計調査報告(平成24年平均速報)」によると、高齢無職世帯の家計収支の平均は実収入18万1028円に対し、税金や社会保険料などの負担が2万3190円、消費支出が20万5629円となっており、4万7791円の赤字となっています。
老後を安心して生活するためには、毎月5万円程度の赤字を補える蓄えがいるようです。もちろん老後の生活費や収入は各家庭によって違いますが、それなりの蓄えは必要。退職後に生活に困らないよう、現役時代から気をつけておきたいポイントをご紹介しましょう。
■ 1.現役時代から投資の勉強を
退職金を手にして、初めて運用や投資を始める人がいます。銀行や証券会社の窓口ですすめられる商品を買ったものの、それがどのような商品なのかよくわからないといったことも。退職金で運用することはいいのですが、問題なのは「初めて」で「大金」を動かすこと。
投資はさまざまなリスクを知った上で、商品を選ばないといけません。現役時代から投資をしていれば、勉強もしているでしょうし、知識もあります。
成績がいいときもあれば、悪いときもあります。このような経験を積んでおくことが大切です。少額でもいいので、投資とその勉強をしておきましょう。
■ 2.退職金をアテにしない
高額な出費を退職金で支払おうとするのは厳禁です。退職金はあくまでも自分たちの老後のための資金と考えましょう。
住宅ローンを退職金で一括返済する計画は危険です。
現役時代の負債は現役中に返済するのが基本。老後のための退職金が一気に減り、退職後の生活設計が崩れてしまいます。退職貧乏の道まっしぐらですよ。
残り3つのポイントは、次で。「定年後いきなり生活費大胆削減!」とは、いきませんよ……。
■ 3.セカンドライフについて夫婦で話し合いを
夫婦で老後の住まいについて話し合ったことがありますか?
夫は「田舎暮らしがいい」、妻は「都心のマンションがいい」と、老後の住まいの希望は意見が違う夫婦が多いものです。退職直前に慌てないためにも、話し合いをしておきましょう。
住まいを変更する場合は物件を調査し、自宅の売却額や新しい住まいの購入額、家賃など必要なお金を試算しておきます。
特に購入する場合、必要になるお金が高額になり、現役時代から計画しておく必要があります。
■ 4.老後資金を意識して貯める
老後の生活がイメージできたら、その老後資金を「意識して」貯めます。老後の生活のために蓄えは必要……とわかっていても、実際に計画的に蓄えている人は案外少ないものです。
「教育費や住宅ローンさえクリアできたら、あとはなんとかなる」と思っていてはいけません。子どもの結婚や車、住まい(住み替えやリフォームなど)の特別なお金はもちろんですが、自分たちの老後の生活資金も必要です。
■ 5.家計スリム化は必須
最後に、老後生活の収入と支出を試算します。主な収入は年金。支給される老齢年金がいくらなのかを調べておきましょう。
支出は現役時代の生活費を基準に考えます。収入額に比べて支出額が高額になっていることでしょう。そこで「老後の生活費をどれくらいにおさめるべきか」がわかるはずです。
ただ退職後、一気に家計費を何割削減する、なんてできるはずがありません。現役時代から退職後に向けて徐々に家計をスリム化していきましょう。
退職貧乏にならないために、現役時代にできることをご紹介しました。「退職してから、たっぷりの時間で……」と、のんびり構えてはいけません。
今できることを実行して、笑顔で退職後の生活を楽しめるようにしておきましょう。
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