
東北地方整備局が公開した戦慄の3.11津波映像「壁のような津波が迫る」
今日2014年3月11日で、大地震と大津波により未曾有の被害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災から3年が経つ。
あの日以来、ネット上には様々な津波の動画がアップされ、多くの人がその恐ろしい光景を胸に刻んだ。
だが、あまり知られていない映像も、まだまだ数多く存在する。
ということで今回ご紹介したいのは、東北地方整備局「震災伝承館」が公開している大変珍しい津波映像ファイル。
その名も「壁のような津波が迫る」である。
・2本の動画が語る「壁のような津波」
動画「壁のような津波が迫る」シリーズは、撮影場所の違う2本の動画がアップされている。
ひとつは岩手県の久慈港。
もうひとつは岩手県の野田村。
どちらの動画も震災伝承館のサイトからダウンロードで視聴可能だ。
・まさに「壁のような津波」
特に衝撃的なのは、野田村の動画である。
説明欄には、「岩手県野田村の津波襲来時の映像です。
津波が遡上している様子や引き波をカメラが捉えています。
また第二波の映像も納められています。」と書かれている。
再生すると、まず映し出されるのは下安家地区(安家川河口)の映像だ。
カメラが映し出したのは水平線……ではなく、津波である。
タイトル通り、本当に壁のようになっている。まさに「壁のような津波」である。
・撮影者「よし、逃げろ!」
そして、カメラは「壁」にズームする。
もしかしたら、水平線かも……という願いもむなしく、やはり本当に津波である。よく見ると、海水が壁のてっぺんに向かって上昇している。どう見ても津波だ。そして、このズーム映像を記録した次の瞬間!
「よし、逃げろ!」
撮影者は、すぐさま避難を決意した。
その後は、安全な場所に避難してからの映像が続くが、家を飲み込み、街を飲み込み、見渡す限りが「海になっていく」ようすが映しだされている。
その光景は、いま見ても、何度見ても、戦慄を覚える。
・二度と繰り返してはならぬ
ちなみに、東北地方整備局「震災伝承館」のサイトには、
「過去から繰り返す津波の悲劇と、その都度建てられた津波石。先祖の代から続く熱い願い。」
「二度と繰り返してはならぬ」
東日本大震災は、日本の甚大な津波災害を画像・映像等で克明に記録した初めての災害と言われています。
我々東北地方整備局も津波石を残した先祖達のように、同じ悲劇を繰り返さないことを願い、この被災経験・教訓を活かすための記録を作成しました。」(震災伝承館より引用)
──と冒頭に書かれている。
また、今回紹介した動画の他にも、様々な動画が公開されている。もしかしたら、まだ見ぬ映像があるかもしれない。
同じ悲劇を、二度と繰り返してはならぬ。
参照元:
東北地方整備局「震災伝承館」

執筆:GO羽鳥
http://rocketnews24.com/2014/03/11/421653/