■■ Japan On the Globe(301) ■ 国際派日本人養成講座 ■■■■
Common Sense: 国際派日本人たちの息吹き
その息吹に耳を傾けていると、日本の新たなる夜明けは、遠くないという気がしてくる。
■■■■■ H15.07.13 ■■ 39,318 Copies ■■ 869,807 Views ■
1~7は、前編にあります。
■8.中学生でも15分で読める文章を■
上記の各分野で質の高い書籍や論文は数多くあるが、一般の大学生や若手社会人など「普通の青年」たちが気軽に読めるようなものはそれほど多くはない。
分厚い本であったり、相当な予備知識を要求するものが多い。
しかし、国民の良識とは本来、長期の専門教育が必要なものではないはずだ。
義務教育を修了した程度の学力と、健全な精神があれば、誰でも身につけられるものでなければならない。
そのために本講座は中学生にも理解できる平易な文章を目指し、かつ15分程度で読める分量とした。
幸い、メール・マガジンとはこれにぴったりのメディアであった。
だから、たまに中学生から感想メールをもらったり、本誌に読みがなを振って、小学校の歴史教材に使ったなどというお便りをいただくと本当に嬉しい。
また本講座で取り上げたテーマに興味を持ち、参考文献として挙げられている書籍を読み出した、というお便りもしばしばいただくが、そういう所から国民的教養をベースとした専門家が育っていってくれれば有り難い。
300号達成を機に、最近のお奨め図書リストを「JOG Booklist」としてホームページにまとめたので、参考にしていただければ幸いである。
■9.国際派日本人たちの息吹■
こうして「国際派日本人養成講座」がスタートした。
毎週毎週、悪戦苦闘しながら原稿用紙8枚ほどの記事を書き続け、いつの間にか300号。
読者数は4万人近く、ホームページのアクセスは毎週6,7千件、累計は87万件に達した。
毎週、何通か寄せられるお便りは何よりの励みとなる。
「国際派日本人」というタイトルのせいか、海外在住の日本人からのお便りをよくいただく。
ひとたび海外に出れば
「日本とはどんな国か、日本人とはどんな民族か」
とかならず聞かれる。
そこで初めて自分の国の事をまったく知らなかったのだなと気がつく。
そういう所に本講座を見つけると「干天の慈雨」という思いで読んでくれるようだ。
たとえば、
◇ アメリカに留学した女子高校生は、戦前の人種差別に苦しめられていた黒人たちにとって日本が希望の星だった事を紹介した号を英文レポートにまとめて、先生に誉められた。
◇ ロシア留学中の大学院生は、周囲のユダヤ人に、戦前の日本帝国のユダヤ人保護政策を語って感謝された。
◇カリフォルニアに留学中の学生は、知り合ったインドネシア人留学生が大戦中同地で軍政司令官だった今村均大将のことを褒めていたのでびっくりしたが、本講座を読んでその理由が分かった。
このようなお便りを数々いただくと、国際友好を深めるうえでも自国の歴史や文化に関する教養は不可欠だとつくづく思う。
そして有り難い事に我が国の歴史は心動かされる逸話に充ち満ちている。
読者は大学生から三、四十代の社会人が中心だが、時には小中学生や七十代の年配の方からもお便りが寄せられる。
「朝鮮殖産銀行の『一視同仁』経営」
という号では、戦前の朝鮮で教師をしていた父親の苦労を偲ぶことができたという長文の感想をいただいた。
大東亜戦争に出征したお年寄りの方からは、本講座を自分たちの思いを代弁してくれるものとして孫に転送している、とのお礼をいただく。
先入観を取り払って素直な心で歴史に接すれば、世代を超えた自然な共感が生まれる。
二通目に引用したお便りはその一例である。
国際社会を横糸とすれば、自国の歴史伝統は縦糸であり、その交点に現在の自分がいる。
祖国の歴史伝統に
「日本人として誇りを持って」
生き、現代の国際社会の課題を
「『自分の』生きている世界のこととしてとらえ、自分の頭で考える」
国際派日本人が今や世界のあちこちですくすくと育ちつつある。
その息吹に耳を傾けていると、日本の新たなる夜明けは遠くないという気がしてくる。
(文責:伊勢雅臣)
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
1. 伊勢雅臣、「国際派日本人養成講座 第5巻」
★★★
エコープロ、H15 (在庫切れ中)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■「国際派日本人たちの息吹き」について あきらさんより
300号達成おめでとうございます。
毎週楽しく拝読させて頂いております。
現在中学一年の長女が小学生に入学したあたりから、この子達に何を教えたらよいのか悩みました。
いろいろ悩んだ結果、日本人として生まれてよかったと思えるものを心にもたせてやることではないかと考えました。
それにはまず、自分自身の心を振り返らなければなりません。
自分に確信がなければただのお題目に過ぎなくなってしまいます。
自分は日本人として生まれてよかったと思っているのか。
これを知るには、日本の歴史、伝統、文化を学ばなければなりません。
それには本講座が本当に助けとなってくれました。
分量的にも適度だし、分野もちょうど私が知りたかったものと重なります。
本講座で紹介していただいた書籍も数多く購入し勉強させていただきました。
結局、私自身は日本人として生まれてきた幸運を実感し、日本人としての誇りを確信しています。
現在は、この思いをまず長女に伝えようと四苦八苦しているところです(笑)。
学校では、日本人の誇りを教えてはくれませんから、私が選んだ書籍を読ませております。
今は分からなくても将来、
「そういえば親父はこんなこと言ってたなぁ」
と思い出し、勉強できる材料だけは残しておこうと思います。
■賢一さんより
私は大学在学中から海外志向でしたが、幸いにして卒業後2年半で、はじめて南米のパラグアイに政府関係の業務で赴任したのをはじめとして、
その後ブラジルのアマゾン、
民間に転じて、フィリピン、インドネシアの森林伐採、中近東、アジア、さらに米国での建設プロジェクトなどに過ごして昨年リタイアしました。
海外の現場では、現地の人々の考え方や生活環境に対する理解を第一に、
しかも、ハイレベルからローレベルの人々との交流に生き甲斐を感じました。
そして、私が日本で「日本」「日本人」についての教育を表層的にしか受けていないことに気が付くのにそんなに時間がかかりませんでした。
それで、日本から様々な書籍を取り寄せてじっくり読書しながら、自分の「日本」「日本人」を確立すべく努力してきました。
そして自分の「日本」「日本人」の原則と現地の人々の「その国」「その国の人々」の原則を理解し調和することによって濃密な交流が深まったと思います。
一昨年、HPを検索しておりましたら、偶然このメルマガにアクセスすることができました。
そして、毎週配信されるメルマガ、今までのメルマガを読みながら、私の在学中にこのような入門編があれば本当に良かったなと感じております。
読者からのメール紹介でも、私同様の感想を持たれている方が多いようですね。
これから、社会に出る若い方々、そしてこれから国際社会に出られる若い方々が自分の「日本」「日本人」の確立のためにこのメルマガを端緒に自分の道を切り開いてゆかれることを希望します。
■ 編集長・伊勢雅臣より
今週は多くの方々から励ましのお便りをいただきました。
新たなエネルギーをいただいて、これからも頑張ります。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h15/jog301.html
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おばさんのコメントを入れることができないほどの字数でした。
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「国際派日本人養成講座」をはじめた動機(後編)
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