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神風特攻隊の兄が妹に送った手紙が心に刺さる!

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神風特攻隊の兄が妹に送った手紙が心に刺さる!
 
by パトリシア  
 
2015.05.16
 
 
神風特別攻撃隊は、今から70年程前、昭和19年(1944)10月20日に最初の攻撃隊が編成され、昭和20年(1945)8月15日の終戦まで続きました。
 
現代を生きる私達には想像を絶する現実が起こっていたのは70年前の日本。
 
そう、今年で戦後70周年です。
 
 
お国の為にと命を投げ出して戦ってくれた方々がいます。
 
彼らは、彼らにとって「大切な人」が、未来の日本で立派に生きられるよう、戦い散っていかれたのです。
 
そして戦時中、自分の死を前にした彼らが、何よりも大切にしたこと。
 
 
それは、自分の命ではなくて、家族や弟や妹や、恋人など、自分が大切に思う人の命だったということ。
 
そのことを私たちは忘れてはならないと思うのです。
 
なぜなら、その大切な人こそ、他の誰でもない、いまを生きている私たち日本人だからです。
 
 
出典 http://ameblo.jp
 
 
今から紹介する手紙は、神坂次郎(こうさかじろう)著「今日われ生きてあり(新潮文庫)」の中で、「背中の静ちゃん」として収録されている手紙です。
 
有名なものなので、ご存知の方も多いかと思います。
 
 
両親を亡くし、たった一人遺される妹を想う気持ちに胸が痛みます。
 
大石 清さんの年齢は不明です。
 
「中学3年から飛行学校」へ行ったという事から推測し17~18歳ではなかったかと思われます。
 
 
大石伍丁・妹への手紙
 
〈静ちやん お便りありがたう。何べんも何べんも読みました。お送りしたお金、こんなに喜んでもらへるとは思ひませんでした。神だな(棚)などに供へなくてもよいから、必要なものは何でも買つて、つかつて下さい。
 
兄ちやんの給料はうんとありますし、隊にゐるとお金を使ふこともありませんから、これからも静ちやんのサイフが空つぽにならない様、毎月おくります。では元気で、をぢさん、をばさんによろしく。兄ちやんより〉
 
出典 http://www.shinchosha.co.jp
 
 
出典 http://ameblo.jp
 
 
大野沢威徳からの手紙(万世基地にて)
 
大石静恵ちやん、突然、見知らぬ者からの手紙でおどろかれたことと思ひます。わたしは大石伍長どのの飛行機がかりの兵隊です。伍長どのは今日、みごとに出げき(撃)されました。そのとき、このお手紙をわたしにあづけて行かれました。おとどけいたします。
 
伍長どのは、静恵ちやんのつくつたにんぎやう(特攻人形〈マスコット〉)を大へんだいじにしてをられました。いつも、その小さなにんぎやうを飛行服の背中につつてをられました。
 
ほかの飛行兵の人は、みんなこし(腰)や落下さん(傘)のバクタイ(縛帯)の胸にぶらさげてゐるのですが、伍長どのは、突入する時にんぎやうが怖がると可哀さうと言つて、おんぶでもするやうに背中につつてをられました。
 
飛行機にのるため走つて行かれる時など、そのにんぎやうがゆらゆらとすがりつくやうにゆれて、うしろからでも一目で、あれが伍長どのとすぐにわかりました。伍長どのは、いつも静恵ちやんといつしよに居るつもりだつたのでせう。
 
同行二人…仏さまのことばで、さう言ひます。苦しいときも、さびしいときも、ひとりぽつちではない。いつも仏さまがそばにゐてはげましてくださる。伍長どのの仏さまは、きつと静恵ちやんだつたのでせう。
 
けれど、今日からは伍長どのが静恵ちやんの“仏さま”になつて、いつも見てゐてくださることゝ思ひます。伍長どのは勇かんに敵の空母に体当りされました。静恵ちやんも、りつぱな兄さんに負けないやう、元気を出してべんきやうしてください。さやうなら〉
 
出典 http://www.shinchosha.co.jp
 
 
大石伍長・遺書
 
〈なつかしい静ちやん!おわかれの時がきました。兄ちやんはいよいよ出げきします。この手紙がとどくころは、沖なは(縄)の海に散つてゐます。思ひがけない父、母の死で、幼ない静ちやんを一人のこしていくのは、とてもかなしいのですが、ゆるして下さい。
 
兄ちやんのかたみとして静ちやんの名であづけてゐたいうびん(郵便)通帳とハンコ、これは静ちやんが女学校に上るときにつかつて下さい。時計と軍刀も送ります。これも木下のをぢさんにたのんで、売つてお金にかへなさい。
 
兄ちやんのかたみなどより、これからの静ちやんの人生のはうが大じなのです。もうプロペラがまはつてゐます。さあ、出げきです。では兄ちやんは征きます。泣くなよ静ちやん。がんばれ!〉
 
出典 http://www.shinchosha.co.jp
 
 
 
出典 http://blog.goo.ne.jp
 
 
最後に幼い妹を独り残して逝く大石伍長の悲痛な句をご紹介します。
 
「妹のことを叔父に頼み、新宮駅にて訣別。妹泣く、叔父上夫婦も泣く、せめて、あと数日、妹の傍らにおりてやりたし」
 
ご訪問ありがとうございました。
  
http://spotlight-media.jp/article/148752182538265159?flow=recent
 
 

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