ルミナリエ16日閉幕
協賛金減少、資金難で岐路に
神戸ルミナリエの開催経費と収入内訳
神戸ルミナリエを継続させるため、会場で募金への協力を呼び掛けるボランティア
=5日、神戸市中央区
(撮影・中西幸大)
阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、復興を願う「神戸ルミナリエ」がきょう16日、閉幕する。華やかな光の芸術が今年も来場者を魅了したが、運営資金難が常態化していることもあり、資金負担の方法や開催時期を見直すべきだ‐との声が上がっている。同様の議論は過去にもあったが、来年迎える20回の節目が一つの転機になりそうだ。
(阿部江利)
ルミナリエは神戸市や兵庫県、神戸商工会議所などでつくる組織委員会が主催。昨年、同市内であったイベントに集まった計1307万人(来場者5千人以上の47行事)の26%を占める340万人が訪れる人気ぶりで、今年も昨年を上回るペースで推移してきた。
ただ、「ここ3回は黒字」(組織委)だったものの、運営資金の多くを企業からの協賛金に頼る台所事情は厳しい。協賛金は第2回の5億1500万円をピークに減少傾向が続き、昨年は2億1900万円に。残りの経費2億3千万円を、自治体の補助金と来場者の募金などで賄った。
そんな中、神商議の村田泰男専務理事が先月末、「今のやり方では財政的に難しくなってくる。市民、自治体、企業が一緒に(お金の問題を)考えるべきだ」と言及。鎮魂という本来の意味を考え、20年目以降は「開催時期を1月17日近くにすることもあり得るのでは」と問題提起した。
組織委は経費削減のため、第13回から会期を2日短縮したり、ルミナリエの制作費を半減させたりしてきた。1月開催案も何度か検討されたが、会場が重なる三宮・東遊園地で開かれる「1・17のつどい」との兼ね合いなどで難しいとされた経緯がある。組織委は「閉幕後に分析し、今後に向けた話し合いを始めたい」としている。
こうした状況を震災遺族らはどう感じているのか。兄を失った神戸市東灘区の女性(72)は「観光イベントになったようでむなしさもあるが、震災を忘れないために続けてほしい。『つどい』の参加者も減ってきているし、一本化も一つの選択肢では」。
また、父親の同僚が亡くなったという加古川市の女性(18)は「震災を経験していない者にとって『つどい』より気負わず手を合わせられる。続くよう募金に協力したい」と話していた。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201312/0006574413