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2013/11/22 UPDATE
知らないと赤っ恥! これは間違えやすい言葉「5」
「手紙の書き方」ガイド
:井上 明美
送り物の添え状、お歳暮などいただきもののお礼状、季節の挨拶状など、手紙を書く機会は多いものですね。
言葉の表現を豊かにしようと、慣用句や熟語などを用いることもあります。
さて、その慣用句などのなかにも、うっかり書き間違えてしまいやすいものや、本来の意味を取り違えてしまっているものも少なくありません。
恥をかかないためにも、日ごろなにげなく使っている間違えやすい言葉をあらためて見直してみましょう。
■ 間違えやすい言葉、慣用句とは?
次の表現は、○×どちらでしょうか。
1.「優勝のお祝いに、大勢招いて大番振る舞い」
2.「お寿司に、御頭付き、ごちそうの数々」
3.「好物の数々に食指がそそられる」
4.「あまりのことに、取り付く島もない」
5.「のべつひまなし電話がかかってきてしまい、なかなか家を空けられなかった」
間違い、わかりましたか?
正解を発表しましょう!
1.「×」
「大番振る舞い」の部分が書き間違いです。正しくは「椀飯振る舞い」。「大盤(おおばん)振る舞い」と字を当てて書くこともありますが、本来は「椀飯振る舞い」。
「椀飯振る舞い」とは、盛大な宴会、もてなしのこと。椀に盛った飯という意味から、盛大に酒食などを振る舞うことを言います。
2.「×」
「御頭付き」の部分が書き間違いです。正しくは「尾頭付き」。「尾頭」とは文字の通りで、魚の「尾」と「頭」のことです。
貴重なものという気持ちからか、または接頭語としてか「御」を用いてしまいがちですね。「尾」も「頭」も切り離さない状態の大きな魚のことを表します。
3.「×」
「食指がそそられる」の部分が間違いです。正しくは「食指が動く」。「そそられる」を使うのならば、「食欲」「食思」です。
4.「○」
「取り付く島」で正解です。誤用例として、よく「取り付く暇」としてしまう例が見られますが、正しくは「取り付く島もない」です。
「取り付く島もない」とは、頼りにするような何のてがかりもなくて、どうすることもできない状態を表します。どうすることもできないことから、余裕がない、暇がないことを連想してしまってか「取り付く暇」としてしまうことが多いようです。
5.「×」
「のべつひまなし」の部分が誤用です。正しくは「のべつ幕なし」。芝居で、幕を引かずに続けて演じることの意味から、少しも休まずひっきりなしに続くさまを表します。
こちらも先ほどの問4と同じように、少しも休まない、休む暇がない様子から「のべつ暇なし」と誤ってしまうのでしょう。
「のべつくまなし」という間違いもあるようです。
文化庁の平成23年度『国語に関する世論調査』によると、「ひっきりなしに続くさま」を表すときに、本来の正しい言い方の「のべつまくなし」を使う人は42.8パーセント。誤用の「のべつくまなし」を使う人は32.1パーセントと結果が出ています。
日ごろなにげなく使っている慣用句などの言葉も、書き間違えや意味の取り違えがないように、ときには見直して正しく使用したいものですね。
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