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木嶋かなえ…結婚詐欺

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木嶋佳苗「かなえキッチン」 最悪の結婚詐欺女
2009.11.01


「家賃滞納は頻繁で、だらしない格好だった。結婚詐欺なんて信じられない」マンション管理人はこう振り返る。「ピアノ講師」と名乗っていたが、部屋にピアノはなく「仕事をしているようには見えなかった」らしい。

産経新聞によると疑惑は連続殺人事件へと発展するのか。埼玉県警に結婚詐欺の疑いで逮捕された無職の女(34)=東京都豊島区=の周囲で相次いでいる男性の不審死。婚活男性を中心に1億円以上を貢がせていた女が武器としたのは、自慢の料理による“極上サービス”と男心を手玉に取る「ウソ」だった。不審死を「自殺」から「殺人」へと見方を改めて捜査を進める警察当局。少ない物証の中、取調室での女との攻防が続いている。


 8月6日朝。交通量が多い国道沿いの駐車場に1台のレンタカーが停車していた。後部座席に横たわる男性と助手席に置かれた七輪。通報を受けて埼玉県警東入間署員が現場に急行したが、外見上は「練炭自殺」をうかがわせるものだった。

 遺体の男性は財布と免許証を所持していたためすぐに身元が判明する。男性は東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=だった。

 よくある自殺-。そう思った署員だったが自殺には不自然な点があることに気づく。ドアが施錠されていたにもかかわらず、室内からは車の鍵が見つからなかったからだ。さらに練炭自殺特有の練炭を触った際に付着する黒いすすが手や衣服になかった。司法解剖の結果、遺体からは睡眠導入剤とアルコールが検出された。

 県警は「他殺」の見方を強めた。では誰が…。

 県警が注目したのが、大出さんが開設していたブログの内容だった。遺体発見前日の8月5日付でこう記載していた。

 「41歳のトマちゃんは実は婚活中でしてwつか今夜から相手のご家族と会うのです。ここ最近ずっと相手と新居を探したり新生活のことを話し合っているんです。今夜から2泊3日で相手と婚前旅行に行きます」(原文のママ)

 結婚をブログでうれしそうに報告する大出さん。この内容から、大出さんは自殺する意思がなかったことが裏付けられた。さらに、直前まで一緒に行動していた相手のヒントもブログからは読み取れた。

 「まさにダイイングメッセージのようだ」

 捜査関係者がこう表現するように、交際関係にあった女が捜査線に浮上。任意で事情を聴くと、女はこう言って関与を否定した。

 「大出さんと駐車場に行ったが、けんかをして別れたので、ショックで自殺したのではないか」

 県警では8月以降、女の行動を24時間態勢で確認。一方で女の周辺を調べたところ、静岡県や長野県の男性らから女が結婚名目に金をだまし取っていたことが分かり、県警は詐欺容疑で9月25日に女を逮捕。一連の事件の解明に向けた第一歩が歩み出された。

■不潔、貧乏、バカは嫌い…少女時代に原点?

 北方領土をのぞむ根室半島に近い北海道別海町(べっかいちょう)。人口約1万6千人に対し牛の数は約12万頭。典型的な酪農の町で、女は生まれ育った。祖父は町議会議長も務めた地元の名士。女は地元の中学、高校を卒業し都内の私立大学に進み上京した。

 「上昇志向が強く上京を夢見ていた」(地元の知人)といい、プライドの高さは高校時代の卒業文集からも伺える。「嫌いなもの」の項目にはこう書かれていた。

 「不潔、貧乏、バカ」
 だが、夢見た上京後の生活は順風ではなかった。

 「大学は学費未納のため1年で除籍処分になりました」(大学関係者)

 東京でのその後の足取りは判明していない。だが、大学を除籍処分となってから約7年後には、すでに詐欺師としての片鱗(へんりん)をのぞかせている。

 26歳の時に女はインターネットオークションに「安達学美」という偽名で参加。売るつもりのないパソコン商品を掲示し、男性から10万円をだまし取っていたのだ。結局、この時の容疑で2年後の平成15年に警視庁捜査2課に逮捕される。偽名の銀行口座も開設するなど手口は手慣れたものだったという。

 女は、18年に家賃13~14万円の板橋区内のマンションに居住した。

 「職業は『ピアノ講師』や『フードコーディネーター』と名乗っていた。服装は地味で貴金属もつけていなかった」

 マンションの関係者はこう振り返る。入居時には免許証がなかったというが、昨年免許証を取得し今年に入り高級外国車を購入。5月はさらにグレードの高い外国車に買い替えていた。

 マンションも今年8月からは家賃20万円を超える東京・池袋の高級マンションの最上階に居住。「学費未納で除籍」という過去を捨て去るように、少女時代に夢見た都会暮らしを謳歌(おうか)しているようだった。

 自身が開設するブログ「かなえキッチン」には、鼻から下の顔の一部が写る写真を掲載。吉川十和子や叶姉妹のようなセレブ系の「巻き髪」で決めている。だが、近所の住民たちは「あごのラインが全然違う」と証言。住民らからは「職業の肩書だけでなく自らの顔写真をも偽装していたのか…」との声も漏れる。

■“獲物”は婚活サイトで物色 決めぜりふは…

 「女が登録していた結婚サイトは、とくに真剣に結婚を希望する人が多く集まるといわれていたようだ」(捜査関係者)

 女が生活レベルを上げていくために目を付けたのが結婚詐欺だった。婚活サイトでは、ハンドルネーム(HN)にブログ名の「かなえキッチン」のほか、複数のHNを使い分けていた。

 捜査関係者によると、女は婚活サイトで貧しい学生を演出していた。メールや携帯電話をやりとりすることで、相手の資産状況などを巧みに聞き出し、「学費が未納なので援助してほしい」と切り出す。男性らが躊躇(ちゅうちょ)すると、こう決めぜりふを放っていた。

 「卒業したらあなたに尽くしますから」

 歯が浮くような決めぜりふだが、婚活に熱心な男性ほどはまりやすい。さらに女は趣味の料理でもてなすことで、男性から金を引き出そうとしていた形跡もうかがえる。

 女は3カ月で70万円もする高級料理教室に通っており、高級料理店を食べ歩く趣味も持っていた。こうした料理に関する知識を開設しているブログで披露。高級料理を食べさせる“極上サービス”で男性に「良妻」のイメージを植え付けて、結婚資金を引き出そうとしたとみられる。

 死亡した大出さんが最後に食べたのも女が作った「ビーフシチュー」だった。だがこのシチューの中には睡眠導入剤が混入されていた可能性が高いと県警はみている。

 結局、女は少なくとも6人から総額1億円を振り込ませるなどして現金を手に入れていた。

 女は婚活サイトだけでなく「不倫サイト」にも登録していたとされる。だが、こちらは猫なで声でおねだりするのではなく「(奥さんに)ばらす」とすごんで金を脅し取る手口だったという。



 埼玉県警がパソコンを解析したところ、女は数十人の男性とメールのやりとりをしており、被害は拡大する可能性もある。

■女を巡る点と線…威信かけるニッポン警察

 女は現在、大出さん以外に3人の知人男性が不審死した事件の疑惑の渦中にある。

 2月4日に婚活サイトで知り合った東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん=当時(41)=が自宅で練炭がたかれた状態で死亡しているのが見つかった。

 このほか、訪問ヘルパー先の千葉県野田市の無職、安藤建三さん=同(80)=が5月15日に自宅が全焼し死亡。同県松戸市のリサイクルショップ経営の福山定男さん=同(70)=も女に約7400万円を振り込んだ後に突然死していた。

 埼玉県警が女を結婚詐欺の容疑で逮捕したが、実は安藤さんが死亡した火災の捜査過程で、千葉県警も女と不審死との関連をつかみ5月から極秘で内偵捜査を進めていた。

 「ヘルパーを頼むほど、体は不自由ではなかった。数台のパソコンを使いこなし、英語も堪能だった。逃げ出せなかったのはなぜだろうと思っていた」と近所の住民が口をそろえるほど元気だった安藤さん。室内には七輪が置かれ、遺体からは睡眠導入剤が検出されていた。

 現在、大出さんの死亡経緯を捜 現在、大出さんの死亡経緯を捜査している埼玉県警と、安藤さん・福山さんの死亡経緯を捜査している千葉県警が連絡を取りながら共同で捜査。このほか寺田さん死亡の経緯を調べている警視庁も両県警と情報交換を進めている。また、この4人以外にも、女と接点のあった首都圏の男性2人が不審死していることが分かっている。

 だが、福山さんと寺田さんに関しては、当時、「事件性なし」と判断され司法解剖も行政解剖も行われていないため、事件として犯罪を立証するのは困難だと指摘する声もある。

 「このまま偶然が重なった不審死として終わらせてしまってはニッポン警察の威信にかかわる」

 警察幹部は力を込めた。




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