暮らしのガイド
2013/05/10 UPDATE
これでピッタリ！理想的な枕の高さの見極め方
「睡眠」ガイド
:坪田 聡
■ 枕が起こす不愉快な症状
枕は高すぎても低すぎても、身体の調子を悪くします。枕が高すぎると首や肩の筋肉に負担がかかり、ノドも圧迫されてしまいます。
そのため、眠っている間にイビキをかいたり、目覚めたときに首の痛みや肩こりを感じたりします。
さらに高すぎる枕を使うと、仰向けの姿勢がつらくなるので、横向きの姿勢が増えます。「横向きでないと眠れない」という人は、もしかすると枕の高さが合っていないのかもしれません。試しに枕を少し低くして、寝心地を確かめてみてください。
健康な人の首の骨は、横から見ると「C」字状にカーブしています。ところが枕が低すぎると、首の骨の自然なカーブがなくなり、首の痛みや肩こりが起こります。また、頭が心臓より低い位置になるので、頭や顔の血液循環が悪くなります。そのため、朝に顔がむくみやすいのです。
寝姿にもチェックポイントがあります。枕をしているのに、さらに自分の手を頭の下に入れてしまうのは枕が低すぎるためです。枕を二つ折りにしたり、立てて使ったりするのも、枕が低いからです。一方、知らないうちに枕をはずしてしまうのは、枕が高すぎて眠りづらい証拠です。
■ 枕調整法その1：
立ち姿のまま横たわる
首は外から見ると真っ直ぐですが、中の骨はカーブしているのが自然です。それは重い頭を支えてバランスよく動くための、無理のない最も効率的な姿勢なのです。寝た状態でも首の骨の自然なカーブを保つと、リラックスして眠ることができます。
仰向けに寝て、額と鼻の先端を結んだ線が床に対して5度のとき、首のカーブは立っている状態とほぼ同じになります。ですから、この寝姿を保てる枕がよい枕、ということになります。
このときの枕の高さは、1～6センチと幅があります。性別や体型、体格、寝つくときの姿勢によっても違いがあり、枕の高さは非常に個性的だということです。たとえば、女性の平均は3センチ弱ですが、男性では4センチ前後が平均的です。
太っている人は、標準的な体重の人よりも頭部や肩に重みがあるため、枕がより沈み込みます。その分を補って、標準体重の人よりも1～2センチ高い枕が合います。また、猫背の人は背中に丸みがある分、標準的な人プラス0～1センチ高い枕がおすすめです。
横向きで寝つく人は肩幅を考慮して、仰向けの高さプラス0～1センチ、うつ伏せ寝の場合は、仰向けの高さマイナス1～2センチがよいでしょう。
また、敷き寝具の種類が変わると理想の枕の高さも変わります。和風の敷き布団や硬めのベッドに比べ、軟らかいベッドは沈み込みが大きいので、1センチ低めの枕を選びます。
次で、まだまだ続く理想の枕の選び方。身体の疲労にも関係してきますよ！
■ 枕調整法その2：
横向きで鏡を見ながら確認
健康な人でも寝返りを一晩に30回ほどしています。寝返りは同じ場所が身体の下になり続けないようにするために行われ、寝返りしにくいと眠りが浅くなり、身体の疲労が残ってしまいます。簡単に寝返りができるかどうかは敷き布団やマットレスの硬さも関係しますが、枕の高さも重要です。
実際に枕を調整するには、まず横向きに寝ます。そのときに顔の中心線と胸の中心線が一直線になって、しかも水平面と平行になれば、それが理想的な高さの枕です。枕は中央部も両サイドも同じ高さにして、スムーズに寝返りが行えるようにします。
この枕をして仰向けでレントゲンを撮ると、首の骨が水平面に対して約15度の角度になります。理想的な高さの枕を使うと肩こりや頭痛、首の痛みが軽くなるだけでなく、頚椎の中にある神経の通り道が広がっていることがMRI検査で実証されています。
枕は、人生の3分の1をともに過ごす睡眠の友。流行に惑わされず、本当に自分に合ったものを探し出してくださいね。
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