
(講談社学術文庫 263)
河口 慧海 (著)

内容紹介
仏教の原典を求めたいという求道者の一心から、厳重な鎖国をしくチベットに、あらゆる困難にうちかって単身入国を果たした河口慧海師の旅行記。
抜群の面白さをもっているだけでなく、チベットの風俗・習慣等についての的確な記述は、本書をチベット研究のための第一級の基本的文献としている。
第一巻では、チベット行を決心して海路カルカッタへ着き、万全の準備の後、ヒマラヤに入り、チベット国境を越えるまでが述べられる。
第二巻では、チベット国境を越えた慧海が、厳重な警備の眼を避けながらチベット第二の都シカチェを経てラサに至るまでが述べられる。
第三巻では、サラ潜入を遂げた慧海師がチベット人を名乗り医者として大活躍する。ついに法王に召出される程になり、盛名がますます上る。
第四巻では、ラサの人々の生活やチベットの外交について述べられるが、ついに素性が露顕しそうになり、慧海師はチベット脱出を決意する。
最終巻では、ラサを出立した慧海師が、厳重な五重の関門を奇跡的に踏破して英領インドに達し、海路日本に帰国するまでが述べられる。
著者について
1866年大阪堺生まれ。哲学館などに学び、東京本所の五百羅漢寺の住職となる。
のち僧籍を離れ、仏教の原典を求めて1900年チベットに入る。
わが国最初のヒマラヤ踏破者。日本チベット学の始祖。
その後も中国、インド、ネパール、チベットを訪れ、「在家仏教」を起す。
晩年は「チベット語辞典」の編纂にあたる。1945年没。
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1巻から5巻まであります。
まだ、漢族の影響のないチベットの貴重な時代です。