暮らしのガイド
2012/09/28 UPDATE
泥棒に侵入された家の弱点はココ
「防犯」ガイド
:佐伯 幸子
■ 無施錠の習慣が抜けない人もいる
一戸建住宅の泥棒侵入被害でもっとも多いのが「無締り(むじまり)」によるものです。窓の開け放し、表玄関ドアの無施錠、勝手口の無施錠などで、そこから泥棒の侵入を許しているのです。
ドアや窓を割って侵入するのは容易ですが、最も簡単なのは、開いているドアや窓から侵入することです。
日本の地方や郊外など地域によっては、いまだに「家の鍵をかけたことがない」「日中は玄関も窓も鍵はかけていない」家が多いことが知られています。
確かに、よその人が来たらすぐに目立つような地域では、住人がみんな顔見知りであって、鍵をかけることはなんだか拒絶しているようで……と、鍵をかけない家が少なくないのです。
問題は、そうした地域で育った人が都市部などで住むようになっても鍵をかける習慣が身についていないままで、それまでと同じように鍵をかけずにいることです。周囲の人に言われ、ようやく最近は鍵をかけるようになった人もいます。わが家の鍵かけの習慣を見直しましょう。
一戸建住宅は四方に窓があります。窓ガラスは防犯ガラスや防犯フィルムを貼ったガラス破りに強いものでない限り、従来のガラスはドライバーなどで割れてしまいます。「割れるガラス(網入りのものも含む)」の窓である以上は、ここが侵入口となりえます。
■ 合鍵の存在に要注意!
4階建以上の共同住宅でも、やはり玄関と窓の無締りによる被害が1位、2位となっています。泥棒からすれば、強引な手口を使わなくても開いている玄関や窓から侵入することがもっとも手っ取り早いのです。
つまり、泥棒にとって「ウェルカム」な状態です。ご自宅はいつも泥棒によって侵入しやすい状態になっていませんか?
次に多いのが「合鍵」によるものです。賃貸の場合は、特に合鍵の存在を正しく知っておきたいもの。新築物件に入居する場合以外では、合鍵がどこにどれだけあるか確認しましょう。建物によっては前の居住者が使っていた鍵を使っている場合があります。入居のたびに新しく変更するのが望ましいのは言うまでもありません。
3階建の共同住宅でも、玄関、窓の「無締り」による被害がトップです。続いて窓の「ガラス破り」「合鍵」による侵入となっています。高層の建物より低層の建物のほうが、窓からの侵入が多いのです。
ほんのちょっとのゴミ出しだから……が命取り。次は、過信が招く危険をご紹介しましょう。
■ ちょっとしたゴミ出しでも、きちんと施錠を
建物によって侵入口となる場所や条件はおおむね決まっています。自分の住んでいる部屋、わが家はどれにあたるか考えて、無締りの状態、玄関ドアや窓の無施錠の状態にはなっていないかよく考えてみましょう。
家族がいれば、一人ひとり全員が鍵かけへの認識を持つことが大切です。
泥棒が侵入しやすいのは、玄関や窓が無施錠で開いている家、そして容易に割れるガラスだけで補助錠やフィルムを使っていない窓です。わが家のことを思い返して、鍵をかけていない場所はないか? いつも戸締りはしているか?をよく考えてみましょう。
鍵をかける必要があるのにかけずにいると、泥棒を招きます。金庫のように常に施錠されていることが常態で、人が出入りするときだけ鍵を開けるようにしましょう。
ゴミ出しや郵便を取りに行く、ちょっとコンビニまで、といったわずかな時間でも施錠することを徹底しましょう。
「ご自宅の窓ガラスは簡単に割れそうですか?」と聞くと、ほとんどの人が「割れると思う」と答えます。「簡単に割れる窓ガラス」に、家族の命や財産を預けるのはあまりにも無防備。
防犯フィルムを貼ったり、窓用の補助錠を取り付けたりすると防犯レベルは確実にアップします。
「対策は、した人から安全になれる」のです。泥棒に侵入されて現金や物品の盗難被害に遭う前に、「侵入された!」という心の傷を受けないためにも、できることをすぐに実行しましょう。
http://docomo.allabout.co.jp/column/CL01378/index.html