【ローマ法王訪韓】
信者拡大へアジアに手応え
韓国内では思惑交錯
セウォル号事故と慰安婦問題めぐり
15日、韓国の大田ワールドカップ競技場近くで、信者らに手を振るローマ法王フランシスコ(聯合=共同)
ローマ法王フランシスコが18日、5日間の韓国訪問を終え帰国の途に就いた。
訪問の先々で熱い歓迎を受け、ローマ法王庁(バチカン)は信者拡大の潜在力が大きいアジアでの初外交に手応えを感じたようだ。
法王は分断された南北の和解を力説したが、韓国側では法王の影響力に頼ろうとする動きが目立ち、現実社会の分裂ぶりも浮かんだ。
▽大きな力
「朝鮮半島は一つの家族です」。
穏やかな微笑をたたえて平和と和解を呼び掛け、「貧しい人のための教会」をモットーに小型車で動き回る法王の姿は、韓国民に好意的に受け入れられた。
韓国カトリック幹部は、法王の訪韓が「福音(キリストの教え)を広める上で大きな力になった」と総括する。
法王は滞在中、カトリックが弾圧や監視の対象とされる中国や北朝鮮を念頭に「対話をためらわないよう希望する」と発言。
アジアでカトリックが活動の幅を広げることに強い意欲を見せた。
16日、ソウルでのパレード中、沈没事故遺族の金泳五さん(左)の手を握るローマ法王フランシスコ(韓国カトリック教会提供・共同)
▽分裂
韓国社会は304人の死者行方不明者が出た4月の旅客船セウォル号沈没事故の衝撃を今も引きずる。
朴槿恵大統領は歓迎スピーチで「訪問で国民の痛みが癒やされることを願う」と口にした。
だが政府から疎外されていると感じる遺族が求めた「救い」は、法王の影響力で朴政権に圧力をかけることだった。
16日のソウルでのパレード中、沈没事故の遺族の前で車から降りた法王に、16歳の娘を亡くした金泳五さん(46)が「惨事を繰り返さないための特別法ができるよう祈りを」と求めた。
遺族らは捜査権も持つ事故調査機関の設置を定めた法制定を求めるが、大統領府への捜査を警戒する政府・与党が反対。
金さんは「法王と世界が、沈没事故が何も解決していないことを認識してくれた」と語る。
▽思惑
朝鮮半島の平和と和解を願うミサで、旧日本軍の従軍慰安婦だった女性の手を握るローマ法王フランシスコ(左から2人目)=18日、ソウルの明洞聖堂(聯合=共同)
法王の影響力に期待したのは朴大統領も同じだ。
法王は韓国で大規模ミサを4回行ったが、朴氏は旧日本軍の元従軍慰安婦の女性7人が参列した18日のソウルのミサにだけ出席した。
信仰拡大のため国家間の対立から距離を置きたいバチカンは日本に神経をつかい、元慰安婦女性のミサ出席に政治的意図はないと事前に強調。
それでも朴大統領は、法王が女性らの手を握る場に居合わせ、慰安婦問題でバチカンが韓国の立場に寄り添っている姿を演出した。
(ソウル共同=植田粧子、粟倉義勝)
(共同通信)
2014/08/20 12:30
http://www.47news.jp/47topics/e/256252
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政治利用し過ぎしゃないですか…