今の中国と漢字が結びつきません。
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大島 正二 (著)
漢字に挑んだ人びとのドラマ
日本人にとって漢字は日々読み書きをしている、切っても切れない関係にあるものですが、本家本元の中国人にとって漢字は一体どういう存在なのでしょうか。
この本は、漢字の起源から現在まで、中国人が漢字とどのように関わってきたかを懇切丁寧に述べて、そのような問いに答えようとするものです。
世界広しといえども、形・音・意味の三要素をもつ文字は現在、漢字以外にはないそうですが、そのようにユニークな漢字が古代からずっと使われ続けてきたことは考えてみればかなり不思議なことに思えます。
中国人が漢字を使い続けてきた理由は何でしょうか。
そして、そこにはどのようなドラマがあったのでしょうか。
この本を読んでいくと、漢字を使いこなすのに様々な工夫が重ねられて、その用途が拡げられていったことがよくわかります。
古語を現代語訳する、漢字を形で分類する、「反切」という方法によって表意文字である漢字を表音文字としても使う、漢字の簡略化・ローマ字化を試みるなど、その工夫の跡がそれを担った人々のことと共に紹介されますが、その知恵には感心させられます。
そして、その成果が字書・義書・韻書・韻図などとして結実していくわけですが、その過程が豊富なエピソードを交え、日本の辞書に与えた影響などにも言及しながら描きだされます。
私たちはつね日頃から漢和辞典などを通してその成果を享受しているわけですから、その開拓者たる人びとの軌跡を振り返ってみるのも興味ぶかいことではないでしょうか。
漢字や中国の文化史に興味のある方におすすめしたい一冊です。
(新書編集部 平田賢一)
■著者紹介
大島正二(おおしま・しょうじ)
1933年東京に生まれる。
1963年東京大学大学院修士課程修了。専攻は言語学・中国語学。現在、二松学舎大学大学院教授、北海道大学名誉教授。
著書に
『唐代字音の研究』(研究篇)(資料篇)(汲古書院)、
『〈辞書〉の発明』(三省堂)、
『中国言語学史(増訂版)』(汲古書院)
などがある。
■ 目次
◇はじめに
◇漢字は誰が造ったか
◇古語を現代語訳する — 義書
◇形で分類する — 字書
◇表音文字として使う—韻書と韻図
◇簡略化・ローマ字化を試みる
◇注/中国文化史略年表/あとがき/索引
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/4308220/
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台湾で購入した漢字と英単語の辞典が、結構、面白いです。