暮らしのガイド
2013/01/29 UPDATE
思わず行きたくなる!オモシロ駅名・地名 厳選「5」
「名所・旧跡」ガイド
:村田 博之
□ のぞき駅(山形県)
漢字では「及位」と書くJR奥羽本線の駅です。
山岳修行が隆盛を誇っていた遥か昔、この地に住み着いた修行者が秋田県境にある山の中で、断崖の端に宙づりとなって崖の横穴をのぞく「のぞき」という修行を行っていました。
あるとき、修行者の一人が京の都で高い位を得ることになり、「のぞき」の行により高い“位”に“及”んだので、この漢字を組み合わせて「のぞき」という地名となり、奥羽線の開通時に駅名となりました。
周囲には何もない小さな無人駅ですが、駅名の由来を示した説明板があります。
□ 途中(滋賀県)
その昔、日本海側の小浜から京の都に海産物を送ったという鯖街道(現在の国道367号線)沿いにある地名です。
比叡山延暦寺の千日回峰行の拠点となる無動寺と葛川明王院の途中にある村について、相応和尚が「途中村」と命名したことに由来しています。
JR湖西線の堅田駅から江若交通バスの途中行きというバスが1日4便運行されており、バスの終点が“途中”ということでテレビにも取りあげられました。
□ なんじゃい駅(群馬県)
漢字では「南蛇井」と書く上信電鉄の駅です。
地名の由来には諸説があるそうですが、面白い駅名をリストアップするときには必ず登場する駅の一つです。
2駅先の下仁田駅は上信電鉄の終着駅であり、こんにゃくやネギでおなじみの場所。
上信電気鉄道の沿線には、日本初の近代産業遺産として世界遺産候補の暫定リストに掲載された富岡製糸場もあるので、それらとあわせて訪ねてみるのもいいでしょう。
□ 放出駅(大阪府)
関西以外に住む人には、まず読むことができない駅名の一つが、この「はなてん」駅。
JR学研都市線とおおさか東線が乗り入れている駅です。
地名の由来として、この地にあった湖からの水が淀川に流れ込む放出点を示す「はなちてん」が転じたという説と、草薙剣を盗んで逃げようとした船が難破して、この地にたどり着いたときに神様の怒りを恐れ盗んだ剣を放りだしたという説があるとのこと。
1990年に国際花と緑の博覧会が行われた鶴見緑地が3kmほど離れたところにあり、学研都市線で3駅乗れば大阪城北詰駅があって、大阪城に立ち寄ることもできるので、あわせて訪ねてみるのもいいですね。
□ 幸福(北海道)
帯広の南にある地名です。
もともとは「幸震」と書いてサツナイ、コウシンと呼ばれていたのですが、この地域に福井県からの入植者が多く住んでいたことから、福井の字を取り「幸福」という地名になったとのこと。
昔は帯広と広尾を結ぶ国鉄広尾線の駅があり、同じ広尾線の愛国駅から幸福駅への切符が縁起のよい切符として全国的に注目されたこともありました。
国鉄広尾線は1987年に廃止となりましたが、ホームと駅舎、そして当時走っていたディーゼルカーがそのまま残っていて、今でも観光地として旅の途中に訪れる人も多いです。
駅舎には鉄道があった頃と変わらず、定期券などがびっしり貼り付けられているのも見物。
「愛の国から幸福へ」の切符はキーホルダーという形でお土産として購入することができますよ。












放出は、「はなてん中古車センター」のCMでイヤでも覚えました。