ウイグル自治区とは?問題をわかりやすくまとめました002
【ウイグル族の人たちの不満】
◇ウイグル自治区の豊富な資源が搾取されている
◇ウイグル自治区が核実験場となっている
◇漢民族がどんどん流入してきている
◇ウイグル語の使用制限がある
◇宗教(イスラム教)への制限がある
◇ウイグル独自の文化が破壊されつつある
◇政治的な発言権がない又は少ない
◇当局による不当と思える逮捕・拘束がある
う~ん、宗教や言語に対する制限は、特に辛いですよね。
私には、自分の信条やアイデンティティに関する大切な部分を
国に制限されてしまうのは、今の時代、あり得ないことだと感じます。
こういった不満から、中国の中央政府に不満を持つ
ウイグル族と漢族との対立の激化で、多数の死傷者が出る事件が起こり
暴力事件や治安の悪化が実際に起こっています。
2009年には死傷者が最低192名、負傷者が1,721名となる
ウイグル騒乱と呼ばれる事件も起きました。
(ウイグル人組織のウイグル世界会議の発表では
死者数3,000人と発表されています)
ウイグル自治区だけではなく、中国全体の治安に影響するような、治安情勢の悪化が問題となっています。
■ 天安門広場での車自爆事件
2013年10月末には、ガソリンタンクを搭載した車が
天安門に突っ込み、死者と負傷者を出す事件が起きました。
その結果、中国当局は、
ウイグル族を200人拘束するなどの措置を取りました。
対立がますます激しくなる可能性があります。
こういった事件が、突発的に起こるものではなく、
積もり積もった不満が爆発するように起こっているので、
今後もすぐには解決しない根の深い問題となっています。
天安門広場の事件は大きく報道されましたが、地方でも、死者の出る事件が多発しています。
■ アルカイダによるテロ宣言
また、2009年にはイスラムテロ組織で有名な、
アルカイダの幹部が、「中国に対する聖戦」を表明しました。
その中で、
「東トルキスタンの、抑圧されて傷ついた兄弟たちを
支援することは今日のムスリムの義務」と述べています。
↓アルカイダの有名な人
こういったテロ組織の発言は、
現実的な大きな脅威として、中国当局も警戒しているようです。
なぜなら、弾圧されているウイグル族の人々と、
テロ組織が結びつき、民族独立への動きが活発化することは、
他のチベット問題や、台湾の独立問題にも、飛び火する可能性があるためです。
チベット問題は、こちらにまとめました。
⇒「チベット問題とは?中国で起きている民族問題」
■ 2つのウイグル組織
現在、ウイグル人の2つの大きな組織があります。
◆世界ウイグル会議
世界ウイグル会議は、ドイツのミュンヘンに本部があり、
世界中のウイグル人組織を統括しています。
日本でも、イベントが行われました。
暴力は使わず、平和的で民主的なウイグル人の
地位確立を目指しています。
しかし、最終目標として、
分離独立を目指すのか、高度な自治を目指すのかは、
はっきりと表明していません。
民族問題で同じ、チベット亡命政府のような
平和的な印象です。
◆東トルキスタン共和国亡命政府
2004年に発足した、
東トルキスタン共和国亡命政府の本部は、
アメリカのワシントンに置かれています。
目標は、ウイグル自治区を、東トルキスタン共和国の領土とし、
中国からの分離独立を目指しています。
世界ウイグル会議については、
独立を妨げる組織として非難しています。
イスラム教の過激な部分が感じられる印象です。
最後に
この問題が今後、どのように解決に向かうのか、
尖閣問題で対立する日本としては、とても気になります。
今後も関心を持って調べていきたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。
http://japanandworld.net/archives/898
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わかりやすい~
ウイグルは、遠く離れたシルクロードのイメージがありますが、
尖閣諸島の問題を抱える日本にとって、徐々に身近に感じられるようになってきました。